カブ・・・お出かけでいろいろな所に行くよね!写真をとるのも楽しいけど、きれいな景色を描けたらいいな!
あんぶう・・・出かけた場所で風景が綺麗だと描いてみたくなるよね!風景を描いてみます
水彩画を描いている「あんぶう」です。
今回は風景画を描いてみようと思います。
風景画の画家
まずは水彩画で有名な風景画の画家の絵を紹介します。
アルブレヒト・デューラー
1471年~1528年 ドイツ生まれ 父は有名な金細工師
初期水彩画の代表格。細部にわたる緻密な表現の描写。細密画のような繊細な線は北方ルネサンスを象徴する。うさぎの細密描写、宗教画も多い。


ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
1775年~1854年 イギリスの風景画家
光と空気の表現を感透明水彩の重色技法で表現。抒情的で幻想的な風景画を作成。
ターナーは好んで黄色系の絵の具を使用し現存しているターナーの絵の具箱は黄色系で占められている。のちの印象派にも大きな影響を与える。
絵の具を製造販売している「ターナー色彩株式会社」の創業者はターナーを敬愛して色彩の美しさを追求したいと社名に名付けた。


吉田 博
1876年~1950年 久留米生まれ
明治~昭和の日本の画家。
日本の風景を詩情豊かに「絵の鬼」と評されるほど写実を追求。木版画の作品も数多く制作する。
温和な作風の木版画が多い。


ワシリー・カンディンスキー
1866年~1944年 ロシア生まれ ドイツ・フランスの両方の国籍を取得
20世紀の美術に革命をもたらした画家で抽象絵画の創始者。
30歳までロシアで法学の教授だったが「モネの積みわら」の連作を見て人生を転換。芸術の道を志す。ナチス占領下のフランスでは作品の展示を禁止されたり不遇のまま亡くなった。


エドワード・ホッパー
1882年~1965年 アメリカ生まれ
20世紀のアメリカの画家。油彩画で知られるが、水彩画家、版画家としてエッチングにも精通。
都会と田舎の風景の両方で計算された表現で現代アメリカの生活のビジョンを反映している。




描く風景の選び方
題材の選び方
描く風景にも簡単な題材と難しい題材があります。
人工物や街中の雑踏などは難しいようです。
山や川、湖などや、見慣れている身近な散歩道などの見慣れた風景の方が描きやすいとされています。
その場で描く事が出来ない時はご自分で写真などを撮って利用しましょう。
ご自身で撮った写真を使うのが一番良いと思います。撮りためておきましょう!
構図の決め方
風景画の構図は悩みますよね。
「どんな構図にしたらいいの?」と思う事もしばしばです。構図を考える時の指針にしてみてはどうでしょうか。
三分割法
三分割法は画面を縦横の三分割に分けてその交わる点や線上に一番見せたい物(木や建物など)を配置するとバランのよい配置になるとされています。
風景画だけでなく静物画や人物画を描く時にも参考になります。
また絵だけでなく写真を撮る時にも意識すると良い配置になります。
こちらの画像は画面を3分割の線を引いています。山の裾野、頂上が見事に三分割のライン上になっています。

光を意識する
光がどこから当たっているかを意識したり決めたりする事で影の位置が統一され画面にリアリティが出てきます。
①順光
色が鮮明に見えます。順光の光の構図だと影を描く事によって地面が分かりやすく変化もつくので描きやすくなります。

②逆光
独特の雰囲気のあるドラマチックな風景画になります。

③斜光
長い影が出来て地面のでこぼこが強調されます。斜光の風景画も独特の雰囲気になります。
こちらの写真も「木」の長い影を意識して描く事によってさらに木の存在感が強くなり独自の風景画になります。

S字・C字カーブを利用する
道や川などS字やC字に配置した構図にすると遠近が表現しやすくなり描きやすくなります。
下の写真は川と川に沿った土手が逆C字になっている風景です。奥行きが出やすい構図です。

全てを描こうとしない
主役はどこなのか
風景を描くときに全てを同じように詳しく描くと「何が描きたいの?」となってしまします。
この風景で何が描きたいのか、「主役」を決めるのが大事です。
例えばわら葺の家屋が描きたいのなら、それを主役で丁寧に描き込み、背景の山々は詳しく描く必要はないですね。
空気を描く
風景を描くときに感じた感覚(空気感や光)を描くのが大切かと思います。
木洩れびの美しさを表現したいと考えるならそこを中心に描くようにするとよいと思います。
また描かない事によって見る人が想像する事もできます。
先ほどの風景の画家「ターナー」や「吉田博」などは細かい箇所を描くのではなく風景の空気感を描いていて見る私達を感動させます。
風景画で奥行を出すには
風景画で丁寧に描けているのに奥行がない、のっぺりとしてしまったと感じる事があります。
風景画を描くときに意識する事があります。
【遠近】【中景】【近景】を意識する
風景の構図を【近景】【中景】【遠景】に分けて考えます。
それぞれの描き方を変えて描いていきます。

境界線を変える
【遠景】の境界線ははっきりとしていません。ぼかした感じで描くとよいです。逆に【近景】にある物は私達の目にはっきりと映ります。描くときにエッジを変えていきます。近くにある物の境界線は鮮明にします。
彩度を変える
彩度も【遠景】と【近景】では違ってきます。近くにある風景は鮮やかに、遠くにある風景は彩度を落として描くとようでしょう。
描きこみを変える
近くにある物は詳しく描きこみ、遠くにある風景が大雑把にかくと遠近が出てきます。
パースを意識する
パースは英語でperspective(パースペクティブ)の略称です。
日本語に置き換えれば「遠近法」になります。
近くにある物は大きく、遠くにあるものは小さく描きます。
透視図法
消失点とは透視図法において奥行の方向に線をのばしたときに線が交わる交点です。
①一点透視図法
消失点を1つ決めてすべてのものがそこに収束するように描く透視技法をいいます。

②二点透視図法
2つの消失点を配置して物体を斜めから見て奥行や立体感を表現する方法です。

③三点透視図法
消失点が3つあります。3点図法の3つ目の点は上や下に加えます。
高さのゆがみを描く方法になります。

アイレベルを意識する
アイレベルとは視線の高さです。
視線が高い位置にあると物や風景を俯瞰(ふかん)してみる事になります。
逆に低い位置にあると見上げる(あおり)の構図になります。
風景画を描いてみる!


では実際に風景画を描きながら説明していきますね。
以前旅行に行った時の輪島の「白米千枚田」の写真です。
秋の棚田ですので稲刈りはすでに終わって田んぼは茶色の土が見えている状態です。
これを透明水彩で描いていきます。

棚田の数も多くて複雑な構図になるような気がしますが「遠景・中景・近景」に分けてみます。

空、海、遠くの山、遠くにある棚田は遠景になります。遠景にも棚田がたくさんありますが、遠景なので詳しく描かないでぼかした色合いや曖昧な形で描いていきます。
中景にある棚田はやや細かく描いていきます。色も遠景に比べてエッジをきかせて描きます。
近景は大きな棚田で画面の一番前の草むらの草の生えている部分もはっきりと詳細に描いていきます。
全体に奥から手前にくるにしたがい棚田の緑を濃くするグラデーションにしていきます。

この写真の消失点は海・空・山・棚田の交わる所になります。消失点を意識して下絵を描いていきます。
下絵を描く
水彩紙はミューズのランプライト紙のF4サイズを使用しました。

①水彩紙に鉛筆で大雑把な形を決めていく
近景は詳しく描き、遠景は棚田の一つ一つを描くのではなく大まかな形を描きます

透明水彩絵の具で着彩する
②下絵が描けたら刷毛で水彩紙に水をたっぷりと含ませて、大きめの筆で空、海、山の遠景から淡い色で着色します

(水を含ませたところが光ってしまいました)
③遠景から薄くサップグリーンとバーントアンバーを混ぜあわせた色で着色しながら全体に着彩していく

前景が濃い色になるように意識してグラデーションを作っていきます

④近景の棚田のグリーンのあぜ道の緑と田んぼの茶系を塗る
刈り取った土が出ている箇所を描きこむ

⑤一番手前に生えている草花などを描き足す

⑥前景、後景の色合いを考えながら中景にある棚田を描いていく
飛び出している崖、松の木なども描きこんでいく
山の裾野にある柵などを描き足す
遠景にある棚田もさらに画きこむ

⑧前景の田んぼの刈り取った稲の跡などを描く
一番手前の草花も描き足す
後景の山の彩度を落とすためにブルー系の絵の具を混ぜて山を着彩する

詳しい動画はこちらから↓
まとめ
- 最初は描きやすい題材を選ぼう!
- 光を意識して描こう!
- S字C字を味方につけよう!
- 全てを描かない!
- 遠景・中景・近景を意識して描く!
- パースを確認する!
- エッジを変える!
- 風景の空気感を描こう!
今回は風景画という事で記事を書きました。
私自身、風景画が難しいと思っていました。
確かに空間の認識が必要になってくるので難しい箇所もあります。
しかし、こうして基礎知識を事前に知っておくと風景画を描く手助けになる事を経験しました。描いていてとても楽しかったです。
四季折々の風景、外国の風景、建物、風景と雑踏の人々など描きたい素材はたくさんです。
私もさらに風景画を描いていきたいと思います。
皆さんも素敵な風景画を描いて下さい!!






